9月 02

“人はなぜ,約束の時間に遅れるのか 素朴な疑問から考える「行動の原因」” を読了。
導入は専門用語をほとんど使わずに応用行動分析を説明していて入門書として素晴らしい。しかし,1 章の後半以降で急激に専門用語を理解していないと難しくなるので用心が必要。身近な事柄を “ABC 分析” と “タコ足ダイアグラム” で視考するのは面白いな,と再確認した。専門用語が理解できていれば,全編から非常にたくさんの示唆を受けることができる。
世間ではいわゆる “行動の科学” と紹介されることの多い “応用行動分析”。歴とした心理学であるにもかかわらず,心理学を専門としている人の中にも応用行動分析を誤解している人が多い。残念なことである。最近では Lifehack 関係でも応用行動分析の知見に基づいた Tips が紹介されていたりして (間違っていることも多い),少しずつ拡がりをみせているのかもしれない。
もし応用行動分析についての知識を持たずに読む場合,”行動とは何か” をよく考えながら読むことをオススメします。心理学を専攻している方は2 章の後半辺りの “認知と行動” の対比の辺りを理解できるかどうかがポイントになるかなと。
私たちは “自分を変えたい” と思ったとき,まず変えようとするのは “行動” である。行動は心の結果によって生じる,と思い込んでいるからである。では,なぜ行動を変えるのか? 心が変われば行動が変わらなくてもいい,とはならない理由を考えて欲しい。
また,私たちは他人の行動を見て,その人の心を予測する。例えば,本の中にもあるように遅刻する人を見て,だらしない人間だと判断する。もし自分が他人からそんなことをされたら “あなたに私の心の何がわかるのか?!” と怒るくせにである。ずいぶんと自分に都合のいい心理学者である。
心について考えるときに,こういう視点もあるのだと知ってもらえると良いのにな,と心から思っている次第です。
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